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REVIEW「超戦」vol.17 | 捕物劇をまたもや阻止するヴォレアスの疾走 | 第十七戦 vs 警視庁フォートファイターズ

シリーズでお届けするREVIEW「超戦」。

今回は「2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 MEN」第十七戦、2月15日(土)に埼玉県で行われた「警視庁フォートファイターズ戦」の戦評です。ピックアップ動画も記事の最後にご紹介します!

ヴォレアス北海道 3 26 – 24
20 – 25
25 – 14
25 – 20
1 警視庁フォートファイターズ
首位を狙うヴォレアス北海道は、少しでも順位を上げたい警視庁フォートファイターズと対戦した。
ヴォレアスは第1セット序盤からリードされる展開が続くが、主砲古田などの活躍で終盤に追い越し先取した。第2セット以降は積極的にメンバー交代を行った。ミドルブロッカーの活躍、1月に育成選手として登録した新星工藤の初出場もチームの刺激となり、セットカウント3-1でヴォレアス北海道が勝利した。
この試合のヴォレアスは、セッター辰巳のセットワークが良く、MBやOP効果的にセットをし戦略的な得点奪取に貢献していた。特にMB陣の田城兄弟とOP(オポジット)である古田との連携を効果的に引き出していた。

オーバーロード(※1)的な攻撃でOP古田に対する相手ブロックの組織力を分断し、距離のあるバックセット(バックトス)を正確に供給することで、古田の得点力を上げることに成功していた。

ともすると、難しい位置からのセット(トス)はエラーを発生させ、自チームのスパイクミスにもつながるリスクがあるため、消極的になりがちである。しかしセッター辰巳は、そのリスクを上回る技術の高さと冷静な判断力でヴォレアスのスパイカー陣の攻撃を引き出していると言える。
※1「オーバーロード」って何?
レセプションやディグの返球位置がセッターの定位置からレフトまたはライト側に片寄った場面などにおいて、セット・アップ位置とサイド側のサイド・マーカー(アンテナ)との間の「狭い」空間に、複数のアタッカーが意図的におとりの助走に入り、相手のミドル・ブロッカーをその「狭い」空間におびき寄せ、セット・アップ位置と遠方サイド側のサイド・マーカーとの間の「広い」反対側の空間で攻撃を行うと、その攻撃の決定率を効率的に高められる状態になること。
PICKUP PLAY

今回は相手ブロッカーを翻弄し、攻撃を引き出す辰巳の戦略的なセットワークをピックアップしました!