REVIEW「超戦」vol.12 | 相手のバレーを封じ、自分たちのバレーで完勝 | 第十二戦 vs つくばユナイテッドSunGAIA
シリーズでお届けするREVIEW「超戦」。
今回は「2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 MEN」第十二戦、1月18日(土)に東京都で行われた「つくばユナイテッドSunGAIA戦」の戦評です。ピックアップ動画も記事の最後にご紹介します!
ヴォレアス北海道 | 3 | 25 – 16 25 – 16 25 – 23 |
0 | つくばユナイテッドSunGAIA |
新年を迎え、ヴォレアスにとって最初の対戦相手は、つくばユナイテッドSunGAIA。第1セットの序盤、つくばは奥村のアタックや、小針のサーブなどでリードしていった。対するヴォレアスは田城広光の威力あるサーブから、キサルのブロック、古田のスパイクで得点を重ね鮮やかに逆転した。第2セット以降も、ヴォレアスは持ち前の組織的なサーブ&ブロック戦術で優位に立ち、つくばの猛追を振り切り、セットカウント3-0のストレートで勝利した。
この試合では、トランジション・アタックの決定率などからもヴォレアスのオフェンスが機能していたことがデータ上明らかになっている。そして注目すべき重要な点は、このオフェンスの支えとなるサーブ&ブロックと、それに続く組織的なトータルディフェンスが相手より上回っていた点であろう。レセプション・アタック(※1)と対を成すトランジション・アタックは、バレーボールのゲームにおいて、ブレイクを獲るための大きな要因となるものである。
今回のつくば戦では、古田や田城広光らが威力あるサーブによって相手のオフェンスシステムを崩し、キサルらが確実にブロックで仕留める、またはブロックの後ろにひかえるリベロ白石などの堅実なディグによって、ヴォレアスの攻勢につなげる展開が目立った。ヴォレアスはサーブ、ブロック、多彩なアタックなどチームが目指す「自分たちのバレー」で観るものを魅了するわけだが、それを裏で支えるのは、緻密な戦略に基づいたプレーによって相手のシステムを弱める「相手にバレーをさせない」戦術やプレーなのである。
サーブレシーブ(レセプション)からのファーストスパイクのこと。相手にブレイクさせないためには、レセプション・アタックの決定率を上げておくことは重要となってくる。
今回は第1セットのラリーをピックアップ。序盤は佐々木選手、戸田選手、田城広光選手の3枚がきれいにシンクロした助走で入り、大砲・古田選手がフロントのライトに控えていることにより相手にストレスがかかっています。中盤は佐々木選手が攻守で豊富な運動量を発揮しバックゾーンでもダイナミックな動きで支え、最後の締めは、古田選手が難しい体勢から狭いスペースを抜いてのライン打ちで長いラリーを制しました。自チームのダイナミックなオフェンスで相手へ心理的ストレスを与え続けた結果、最後はシンプルな攻撃で相手よりも優位に立つ展開に持って行きました。