2019-20V.LEAGUE V・チャレンジマッチの開催中止を受けてのヴォレアス北海道 緊急記者会見全文(2020年3月10日)
司会:
皆様お待たせいたしました。本日はお忙しいところにお集まりいただきまして誠にありがとうございます。ただいまより2019-20V.LEAGUE V・チャレンジマッチの開催中止を受けてのヴォレアス北海道 緊急記者会見を始めさせていただきます。
まずはじめに、本日の出席者を紹介させていただきます。
株式会社VOREAS代表取締役社長 池田憲士郎でございます。
ヴォレアス北海道ゼネラルマネージャー 降旗雄平でございます。
ヴォレアス北海道監督 エド・クラインでございます。
ヴォレアス北海道キャプテン 古田史郎でございます。
それでは、株式会社VOREAS代表取締役社長 池田憲士郎より、本日の会見についての経緯説明をさせていただきます。
池田:
本日はお忙しい中、また急なご案内にも関わらずメディアの皆様に多数お越しいただきましてありがとうございます。都内からまっすぐこちらに向かったため軽装であることをご了承願います。
まず、昨今の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、感染された方やそのご家族、また自粛ムードによる経済的なダメージを受けている方々の心境を思うと本当に辛い思いです。いち早い事態の収束と日常の回復を願っております。
私たちも新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、自主興行のV2リーグ最終戦帯広大会、勝てば優勝という大きな大会を、開催3日前でのリーグ通達により中止、その後の緊急理事会でリーグ戦の打ち切りが決定、2位でのリーグ終了となりました。優勝を目標としておりましたが、トヨタ自動車サンホークスとの一敗が本当の実力であったと受け止めるしかないと思ってます。それでもなんとかモチベーションを保てたのはチャレンジマッチの出場が決まっていたからですし、会社・チーム一同ベクトルをそこに向けていこうという思いでありました。
しかしながら、3月9日付のVリーグの通達を受けて無観客での開催予定だった入替戦につきましても、これ以上の新型コロナウィルス感染拡大防止の観点から中止の通達を受けました。詳細の説明がなく理事会決定事項として通知を受けたため、決定に対しては本当に驚きました。
何ができるかわからなかったのですが、いてもたってもいられず昨日午前にチームGMの降旗とともに東京に向かいました。向かいながら私たちの考えをまとめ、要望書を提出させていただきました。
要望書に関しましては、連携協定を結んでいただいております西川旭川市長、谷鷹栖町長、松岡東川町長、村中比布町長にも、新型コロナウイルス対策や議会のある最中ではありますが、我々の依頼から2時間、本当に迅速に要望書に同意をしていただき提出することができました。連携自治体の市長・町長には感謝の気持ちでいっぱいです。
(※実際にVリーグ機構に提出した要望書には、渋谷北海道バレーボール協会理事長、松本旭川バレーボール協会理事長のお名前も列記)
他にも、弊社パートナー企業サツドラホールディングス様の富山社長が、本日11時頃からSNS上で、チャレンジマッチ中止撤回の署名活動を開始していただいております。このご時世でありますから、対面での署名活動ではなくデジタル署名で行うという判断についても本当にありがたく思っています。
また、旭川市議会においてもヴォレアスのTシャツを着て応援しようという流れがあったり、SNS界隈、それからメディアの皆様、パートナー企業の皆様、友人からも励ましのお言葉をたくさんいただいております。チーム設立以来最大のピンチに心が折れかかっていたのですが、皆様の支えによりまだ負けてはいけない、そんな思いで今ここにいます。
繰り返しになりますが、リーグの考えとしてリスクを避けるのは当然ではあります。ですが、選手、サポーター、地域やパートナー企業の皆様の夢と可能性をつぶさない方法が別にあると考えます。今回は未知のケースではありますが、もっと最適な方法があると思っています。私たちヴォレアスは、それをリーグの皆様と引き続き考えていきたいという結論に達しました。私たちは諦めていません。
私からは以上です。
司会:
続きまして、ヴォレアス北海道ゼネラルマネージャー 降旗雄平より、日本バレーボールリーグ機構による「2019-20V.LEAGUE V・チャレンジマッチ~2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 出場決定戦~」開催中止の通達、そして株式会社VOREASの対応につきまして、時系列をまじえてご説明をさせていただきます。
降旗:
ただ今ご説明がありました通り、チームのGMという形で部長職としてVリーグ機構とのやり取りを私がさせていただいておりますので、この詳細につきまして皆様にご説明させていただきます。池田からもありました通り、つい先ほどまで都内におりこちらに直行して参りましたので、軽装でありますことをご了承いただければと思います。
今回の新型コロナウイルス関連におけるやり取りは、2月の中旬からスタートしております。
●2月13日(木)
日本トップリーグ連携機構を経由し、各関連省庁から主に訪日外国人旅行者への情報提供や注意喚起というものが一番最初の新型コロナウイルス関連のものでした。
ヴォレアス北海道としましては、日頃より選手およびスタッフの健康に留意して活動を行っておりますので、私たちは当然のことではありますが、ご来場いただくサポーターおよびすべての関わっている皆様に影響がないように細心の注意を払って今後の大会運営に着手をしていくと改めて決意をしたタイミングでありました。
●2月20日(木)
世間でも少し情勢が変わってきているようなタイミングではありました。皆様のお手元にも配布させていただいておりますが、2月20日付でVリーグ機構から代表理事通達というものでチーム関係者に連絡があり、ホームページ上での公開をVリーグで行っているという形であります。ここにはVリーグ機構としての基本方針や、どのような対策をしてホームゲームの運営をしていってほしいか等が書かれております。
2.20|【代表理事通達】新型コロナウイルスに対するVリーグ機構の対応について
こちらの通達を熟読し、2月29日・3月1日に控えたホームゲーム帯広大会における運営に細心の注意を払った感染防止策を協議し、実施準備を進めておりました。
なおチームは2月21日に東京都、稲城大会に向けて出発をしました。練習会場および2月22・23日に行われました稲城大会試合会場におきまして、チーム関係者を含め選手との握手、ハイタッチ、写真撮影のような接近を伴う交流を中止させていただく旨を発表いたしました。
チームは2月23日に戻り、いよいよホームゲーム最終試合であります帯広大会に向けて、さらにチーム一丸となりながら準備を進めておりました。
●2月25日(火)
第2報と書かれている書面が皆様のお手元にあるかと思いますが、2月20日の代表理事通達に追記するような形で対応要請がありました。ホームゲーム開催時におけるお客様との接点という部分で、一般のお客様と選手および関係者の導線が混在していないか等、一週前の対策よりさらに深く対応していくというニュアンスで受け止めております。
2.25|【第2報:代表理事通達】新型コロナウイルスに対するVリーグ機構の対応について
残念ながら開催はできませんでしたがこの帯広大会におきましても、新しい施設でもあるため入念な下見を繰り返し、多くの控室含め接触はしないだろうかとあらゆる導線の確認と調整を行いながら準備を行ってまいりました。
それに加え、Vリーグ主管試合となります2月29日のV1ファイナルにつきましては、引き続きの開催、希望者においては返金対応を行う旨が追記されておりました。
私たちとしても帯広大会をこのまま開催していいのかという思いもありながら、ご来場いただく皆様、関係者の皆様にとっていかに安心していただきながら開催することができるのかを念頭に置いて引き続きの準備を行っておりました。
●2月26日(水)
国内でも話題になりましたが、正午頃の首相の発言により、世の中の流れが大きく変わったタイミングかと思います。この方針を受け、ヴォレアス北海道の開催であります帯広大会、および長野GaRonsさんの開催であります須坂大会、翌週に控えておりましたV2最後の試合でヴィアティン三重さんの開催でありますサオリーナでの津大会、この3大会の実施を行わないという旨の通達がございました。
2.26|【代表理事通達】新型コロナウイルス感染症対策本部の首相方針に基づく2019-20 V.LEAGUEの大会開催方針について
こちらの内容については一部に中止という文言が入っておりますが、内容としてはこの日程での開催を行わないというものであり、今後事態の状況を見守りながら延期開催等の可能性を検討するというものでした。また、今回お集まりいただいた主題でありますV・チャレンジマッチについての議論および通達について、この日時点ではVリーグ機構担当者との電話を含めたお話の中には一切入っていないものでありました。まずは週末、翌週に向けての対応に特化したものでございます。
●2月27日(木)
本来であればチームスタッフ、関係者が帯広市に入り現地での準備を行う予定ではありましたが、私単独で帯広市に向かいました。前日の段階からスタッフと手分けをしながら関係各所の皆様へ週末の帯広大会が中止になった旨を説明させていただきましたが、改めてのご挨拶含め状況のご説明、また大会会場でも一部すでに設営が進んでいたこともあり、撤収作業含めた各種対応を行っておりました。
前日の通達内で、近日中に緊急の理事会を招集するという記載がありました通り、Vリーグ機構としても理事会の開催を望んでおられましたし、私たちの望みでもありました。その中で、翌日2月28日に臨時の理事会を開催するという旨の連絡をもらいました。
帯広大会は実現しませんでしたが、私たちとしては3月および4月を含めたリーグ戦の再開を望んでおりましたことと、すでに出場権利を得ておりましたチャレンジマッチの開催実施を改めて要請をさせていただいたところであります。
理事会が13時から開催されるとのことで、私たちとしてまずは3-4月での代案会場の提示、また事態が終息した場合に備えての開催準備など、帯広市での各種対応と平行してここからスタートした、というところです。周辺自治体の皆様を含め、新たな開催の日程および開催場所の調整をいただいた皆様にこの場を借りて改めてお礼を申し上げます。
●2月28日(金)
午前中に一部の選手とスタッフに帯広市に追加で来てもらい、よつ葉アリーナ十勝の皆様と一緒に撤収作業を終了させました。13時からの理事会がどのような状況になるのか複雑な心境ではありましたが、終了後の連絡を待っておりましたところ、16時頃にVリーグ機構担当者からお電話をいただき、決定事項についての詳細を伝えていただきました。
内容につきましては皆様お持ちの資料の通り、2月29日・3月1日の開催予定でありました帯広大会・須坂大会、そして翌週の3月7・8日に開催予定でありました津大会、この三大会の中止をもって、リーグ戦をここで打ち切りにする決定事項の通達。3月14・15日の二日間で開催されます大阪府堺市でのチャレンジマッチの規模縮小、無観客試合での開催。この2点について電話連絡をもらいました。
帯広大会を含めた開催を熱望していただけに非常にショックな内容ではありました。しかし設立当初からの目標でありますV1昇格へのチャレンジをするためにこのリーグ戦を戦ってきましたので、無観客試合に残念な気持ちは残りましたが、開催をできることに少し安堵しました。
その電話連絡のあとになりますが、16時半すぎに各チーム担当者にメールが入りました。その内容は皆様のお手元に「緊急理事会での結論について」という通達文書があるかと思いますが、私が電話連絡をいただいた内容に加え新たな注意書きがあり、情勢が変わった場合には大会を打ち切る可能性があるという旨、そして現行の所属DIVISIONでありますV1、V2での残留、といった内容が書かれてありました。
2.28|【代表理事通達】『新型コロナウイルス等感染症に関する対応』に関するVリーグ機構緊急理事会での結論について
このメールを受け、私の方からVリーグ機構へ電話をさせていただき、世間の状況理解はしているが、可能な限り規模縮小およびリスク回避を徹底した上での開催を改めて強く求めさせていただき、3月14・15日という期間にこだわらずに別の日程を含めた形での大会開催をできないか、という旨をまずは連絡させていただきました。その意見はのちほどご理解いただけましたが、プレスリリースに関しましてはこの通りになります。
3月に入り大会の開催が近づき、無観客での開催ということもあり、どこまでがチーム関係者なのかとか、本日ご来場いただいている皆様を含めましたメディア関係者の方はどこまで入場できるのか、私たちのV1昇格に向けての戦いをどのようにして皆様にお届けできるのか注視しながら各種調整を行っておりました。
帯広大会中止に伴い選手のモチベーション等、いかにチャレンジマッチへ切り替えていくのかを考えながらマネジメントをしておりました。いよいよ開催に向けて動き出しておりましたので、チームのみんなにも14・15日に向けて改めて気持ちを入れ直して必死にやっていこう、という話をしていたところです。
●3月6日(金)
14時頃ですが、Vリーグ機構の事務局長から電話連絡で、チャレンジマッチ開催地である堺市の体育館で開催できない可能性があるという一報をいただきました。今回の開催につきましては、体育館は堺市の体育館であり運営はVリーグと大阪のバレーボール協会での共催イベントでしたので、大阪バレーボール協会の方が動ける範囲内で関西圏を中心として全ての体育館・施設について開催できないかという確認をしていただいたと認識しております。ただ、体育館の確保ができても、行政からの自粛要請などを含め今後開催できない可能性もある点から、現段階では代案の提示ができないとのことでした。
その三時間後、17時、再度電話連絡で、3月14・15日のチャレンジマッチについては、非常に残念ではありますが、開催ができないという旨の通達を受けました。
非常に大事な発表であるため、Vリーグ機構として早いタイミングでのプレスリリースを考えているとのことでしたが、開催しないという事実だけをリリースしても、私たちの意向が反映されないままでは、関係者、サポーター、メディア含めた皆様に、様々な憶測やご意見をいただくことが想定されました。開催会場や日程など改めて協議する時間を設けてほしい、本日のリリースはしないでいただきたい、この土日のあいだに私たちチームスタッフとしても開催できるよう議論をするので月曜日改めてお話させてほしい、と伝えました。リーグ期間中のVリーグ機構は日月が休日となるのですが、レギュラーラウンド、ファイナルの日程もすでに終えて、土日の休日を設定されていらっしゃるため、週明け月曜日に再度話を聞いてほしい、との次第です。
3月7日、そのような状況でまだどうなるかわからないけれども、月曜日に改めて協議をしていくということをチームのみんなに説明しました。池田、エド、古田を含めいろいろな検討をしておりました。そしてまずはVリーグ機構に足を運び協議をした方が、どんな内容になろうとも事態が好転するかもしれないという期待も込め、翌日、池田と東京に行くことを決めました。
(※月曜日のアポイントは取れておらず、火曜日であれば終日対応可能との連絡を受け、月曜からの都内滞在を決意)
●3月9日(月)
池田とは別の便でしたが、朝の便で都内に向かい移動しておりました。到着をした後に10時半のタイミングでVリーグ機構より各チーム担当者宛に一斉のメールをいただき、12時にプレスリリースをするという旨の通達が届きました。
3.9|V・チャレンジマッチ~2020-21 V.LEAGUE DIVISION1 MEN 出場決定戦~の中止について
そのとき羽田空港におりましたが、とにかく今はまずそのリリースを一度ストップして協議する時間をいただきたいという旨のお話をしにVリーグ機構に向かいました。11時半頃到着し、事務局長と再度話をさせていただきましたが、ご存知の通り12時にそのままホームページ上で発表されたというような感じです。
そのあと、チャレンジマッチを今後どのような形で延期での実施とさせていただきたいか、月に1度行われているVリーグの理事会および運営会議、各DIVISIONごとの運営会議を含めてどのような段取りを経てチャレンジマッチの実現およびV1への挑戦権というものを許可していただけるのか、と協議をしていました。そこから昨日はいろいろな動きをさせていただきまだ結論に至っておりませんが、各種お問い合わせをいただき、皆様へご説明させていただきたいとう気持ちから、一度都内を離れ、本日記者会見を行わせていただく段取りとなりました。
以上、皆様のお手元にあります文書の確認を含めまして、私の方から時系列をまじえてご説明させていただきました。
最後になりますが、私たちヴォレアス北海道は今季からDIVISION2に昇格をいたしまして、サポーターの方々、およびパートナー企業の皆様、自治体関係者の皆様、バレーボール協会の皆様はじめ、本当に多くの方々に支えられて、戦いをスタートしました。おかげさまでV2初年度はありましたが、皆様ご存知の通り、リーグ22試合の予定がありましたが、20試合実施の中で19勝1敗。最後の帯広大会で最大のライバルである富士通カワサキレッドスピリッツさんとの戦いを迎え、そこで勝利して北海道の皆様、応援していただいた皆様と喜びを共有し、チャレンジマッチに向けて士気をあげて望もうと思っていたところでありました。皆様にその姿をライブでお届けできなかったことは非常に残念です。また、チャレンジマッチへの挑戦を経て悲願であるV1での戦いにようやく望めるかもしれないというチャンスを得ていたのですが、現在その挑戦をすることなく今シーズンを終えてしまう可能性がありますので、非常に悔しく思っております。今シーズンまずは関係各所様々な方々に支えられて今日を迎えられましたことをこの場をお借りして改めて皆様にお礼を申し上げます。
私の方から説明は以上です。
司会:
続きまして本件に関しまして、ヴォレアス北海道監督 エド・クラインよりコメントを申し上げます。
エド:
まずは非常にがっかりしているというのが正直な気持ちです。V2リーグで優勝して、チャレンジマッチで戦って、V1リーグに行く、というのが私たちの目標でした。今日の目標はこれだ、次の日にも今日はこれだ、と毎日練習していました。毎日目標を達成するということで、その日を意図があるもの、としていました。また、試合後の写真を見てもらえればわかると思いますが、選手のユニフォームの背番号で何勝したとかを出させていただいていました。
3年前にヴォレアス北海道の監督になり、私もチームもV1に昇格することを目標に掲げてここまで来ました。過去3年間を振り返っても良い方向に進んでいたのではないかと思います。特に今シーズンに関しては非常に良い方向に進んでいました。
ですが、今の気持ちとしては試合すらしていないのに負けてしまった、そういった失望感です。
私たちは戦う者が集まっているチームです。監督自身も戦う者、選手自身も本当に戦う者の集まりです。それがスポーツというものだと思います。戦う者としては試合する機会は非常に大事です。
ヨーロッパ諸国で今回の新型コロナウイルスについてどのように対処してるかを参考にしても、日本で起こっていることはもっとうまく対処できるのではないかと思います。他の国とかでは、試合の延期などはありますが、中止は一切ありません。イタリアでは日曜日に新たに130人の方が亡くなられました。ですが男子1部2部リーグの試合は行われています。昨日イタリアでは1ヶ月試合中止という決定がありました。それは中止とは言っても4月までの延期ということです。フランスとドイツにおいては発症率が日本の2倍くらいあります。ですが誰も試合中止にしようとは一切言いません。各トーナメント戦がイタリアで行われる予定でしたが、それももっと安全な地域に変更することになり、スロベニアでの開催となりました。他にもたくさん例をあげられるのですがそこにはあまり時間を費やしたくないのでもう言及はしません。
言いたいことというのは、このような事態が起きている国では協会とかがどのようにクラブを守るか一生懸命模索しています。
ヨーロッパではこの緊急事態のため試合が6月まで延期されても仕方がないといった感じです。私たちのリーグのシーズンは10月に始まります。まだまだ時間があります。今は3月です。延期しないのはなぜか、戦う者としては戦いたいです。
今問題としているのはチャレンジマッチたった2試合です。リーグの多くの試合の話はしていません。2試合だけなので、週末の2日間だけあればいいのです。V2リーグで中止になったヴォレアスの試合も2試合だけなんです。その2試合分っていうのも週末のどこかの2日間だけなので簡単に開催できるはずです。それが延期されまして3ヶ月後に開催されたとしても、私もチームもまったく問題ありません。無観客試合になったとしてもそれでも問題ありません。無観客で開催された場合、選手とスタッフとか入れておそらく体育館の中に入るのは50~60人くらいです。今、新型コロナウイルスの話をしていますがこの部屋に30人は集まっていますよね。
もちろん問題は起きます。障害も起きます。その問題や障害を乗り越えていくのが大事だと思います。自然災害や感染症が広がっているとか、戦争が起きたとかそういったことが起こるかもしれません。ですが記者の方はそういった危機に面してもニュースを伝えなければいけない。今回は中止とすることで問題が解決されてしまいましたが、私たち戦う者としてもっといい方法で解決されるべきだったんじゃないかと思います。私個人としても、他の国を見本にして、今回の中止を覆してくれないかと希望しています。現在、世界中を見てもこのように物事を中止しているのは本当に珍しい例です。
ミーティング、遠征、準備など、時間と感情をいろいろ費やしてきました。この目標を達成するために私自身も選手もスタッフもみんな、100%以上の力を尽くしてきました。たくさんの方々にフォローいただきましたが、今回の決定にみなさんが本当にがっかりしています。この件を覆して良い方向に向かっていくことを期待しています。
司会:
それでは続きまして皆様からご質問を承りたいと存じます。ご質問のある方は挙手をお願いいたします。なお、ご質問の前に社名およびお名前をお伝えいただきますようお願いいたします。
北海道新聞:
昨日チームの方から3月9日付で連携協定を結んでいる市町と連名でリーグに要望書を出されたと思うのですが、こちらの内容と今日の会見内容をお聞きしてお伺いします。チームとしては今後リーグに対してチャレンジマッチの開催を強く求めていくのか、それともV1チームの11番目のチームとして特例措置を設けることを求めていくのか、日程を延期してもやってほしいということなのか。チームとして何を一番求めているのでしょうか。
降旗:
まずはV・チャレンジマッチの開催を望んでいます。いろいろな理事会での決定事項や規約等もあり、万が一それが開催できないのであれば、この緊急事態の中ですので難しいことではあると思いますが、特例措置というものを含めての開催を望んでおります。それが叶わないのであれば、何かしらの私たちの今シーズンの戦いの評価、V1への挑戦権という規定に対するものを示していただきたい。言うなれば二つの方向性というような意味合いで望んでおります。
北海道新聞:
現段階で一番求めているのは、チャレンジマッチの開催をもう一度考慮してほしいというようなこと、それが叶わなければ11チームにするという自動昇格のような措置というか特例措置も考えてほしいということなんでしょうか。
池田:
そうですね。その前に、ここまでのプロセスについてあまりにも一方通行でしたので、明確な説明と対話をする時間をくださいというのがまずあります。その上で、チャレンジマッチの開催ができる方法があったんじゃないかというところに対しては、詰めるわけじゃないですけど、お話を聞きたい。どういうプロセスで他に開催する方法を検討していただいたのか、その辺の内容を含めてお伺いしたいというところと、できるのであれば開催をしたい。それが無理なのであれば、何かしら我々の救済措置。今シーズン戦ってきたわけですし、昇格に向けて我々も活動してまいりましたから、それが全くナシってなると、このライセンス審査ってなんだったのか、これまでの戦いはなんだったのか、この一年の私たちの活動はなんだったのか、ましてや選手の1年はなんだったのかということに発展しますし、それが大きな意味でいうとVリーグというバレーボールの最高峰のリーグとのありかたとしてどうなんだろう、と思います。または、元々は実業団リーグでありますが、その中であれば十分理解しうる判断だと思うんですけども、私たちのようなプロチームも受け入れてる以上それがどれだけチームに対して、会社に対しての負担がかかるかっていうところも考慮していただいて話を聞きたいと思っているところです。
北海道新聞:
確認になりますが、今求めているのは、経緯の説明というか改めて協議する場を設けてほしいというところと、その内容次第では延期ができないのか、それができないのであれば自動昇格なり、何かしらの救済処置がないのかとの三段階でとらえても。
池田:
仮に言うと例えば全部の会場が本当に使用できない、もしくは大会運営の人が本当に揃わないのか。果たして、そこに対して全力で検討していただいたのかというところに対してはまったく回答いただいておりませんし、もしかしたらプロセスを取ってないかもしれないので、そこに対してはまず調整いただきたい。東京に行って確認をしようと思ったところなんですけど、確認は取れていません。
北海道新聞:
あわせてですが、昨日東京のVリーグ機構の方に足を運ばれたとのことですが、この発表についてちょっと急転直下の発表かなと思います。無観客試合という発表があってからの中止ということなので、その点についてリーグの方からチームの方に説明はあったのでしょうか。
池田:
これは3月6日の時点で一度連絡はいただいてました。先ほどうちのGMからも話あったんですけど、その時点では、私たちもいきなり中止と言われても困りますから、対話する時間をくださいと。それが6日の17時、土日はVリーグ機構が休みだったので、一度リリースをストップしていただいて、月曜日に協議しましょうと。月曜日の朝に2人で東京に出向いたのですが、向かっている最中にメールが入り、発表しますと。うちの降旗がVリーグ機構さんについたのが11時半頃、12時にその発表ですね。時系列でいうと。
北海道新聞:
その中でVリーグ機構さんから発表のあとかもしれませんが、何か経緯というか、チームに対して伝えられたりありましたか。
降旗:
2月28日の緊急理事会の開催内容にありますが、理事会の中で決まっていること、そこに則った判断であるので、その通り実行させていただいたという内容でした。
北海道新聞:
リリースの中で近畿地方の新型コロナウイルスの感染拡大を受け、などの文言が入ってたかと思うのですが、そこに関しては詳しく説明があったんでしょうか。
池田:
厳密に言うと詳しく説明はないですね。
北海道新聞:
ありがとうございました。
日刊スポーツ:
古田キャプテンにお伺いします。リーグの判断を受けて選手としての気持ちを含めてお伺いさせてください。
古田:
はい。まずはじめに、各メディアの皆様、いつも取り上げてくださいまして、地域住民の方はじめ、僕たちに興味を持ってくれた方々がたくさん応援してくださっていることに、本当に皆様のおかげだと感じております。ありがとうございます。今回の件について、まだ正直選手としてという観点で言うと、整理がついておりません。というのも、池田、降旗、監督のエドが言っているように、僕たちはやはり挑戦者として3年前から今に至るまで戦ってきて、その結果が今回こういう事態になってしまって。どこに向かって行けばいいのかっていうところが一つあるので、そこに対してどう答えていいのかわからないというのが本音です。ただ、なんて言うんでしょうね。次に向かうということができるのも、これが最後ではないということなので、入替戦があろうがなかろうが、そして来年自動昇格になるのか、はたまたV2でもう一年やることになるのか、その未来は正直わからないです。確実に言えることは、僕たちはまだまだここから這い上がっていくっていうことをお約束します。そこにどうフォーカスしていくかということを考えていきたいなということが正直な気持ちです。
日刊スポーツ:
合わせてですが、GMですね。V1の11番目のチームとするなどの特例措置を設けることなど要望書に書いてありますけど、リーグ側として救済措置などというのが話し合われているか、東日本大震災の時はジェイテクトが望めなくてそのままになったという事例があったと思うんですけど、救済措置をリーグ側がどのように認めているのかというのと、今後チームはどう活動していくのかその2点をお伺いさせてください。
降旗:
昨日の段階ですが、リーグの方も様々な対応をされていらっしゃる中ではありますので、まず明確な救済措置というものに対する考えというのはまとまっていない状況です。ただ、私たちから一つお願いをしたいなと思っているのは、本来はすでに10月の開幕に向けて、各DIVISIONで運営会議というものを経ていろんなリーグの対戦カードとか開催日程がいろんなパズルで決まっていて、本当に苦労されて組んでるカードなので理解しているのですが。例えば私たちが11チーム目になるとしたらこうやって組めるんじゃないか、とか本当に日々いろいろな方法を模索してご提案させていただいています。あくまでもリーグは中立な立場だと私は思ってますし、そうなのであれば、私たち1チームだけがと言ったら変ですが、このような事態を受け止めるという形ではなく、リーグ全体として私たちのチームも含めて、どのように運営をしていくのがよいのかというものをぜひ協議をしていただきたいなという気持ちで、昨日の発表後ですね、いろいろとお話をさせていただきました。二つ目のご質問にありました、今後のチーム運営というところに関しましては、率直な気持ちとしてまだV1へのチャレンジというものに気持ちを閉ざしたわけではまったくもってありませんので、この件についてしっかりとした話し合いを経て、決着がついたあとにまた来季のことを考えて行きたいと思っています。
日刊スポーツ:
チームは通常通り練習を続けていくということですよね。入替戦に向けて。
降旗:
はい。本日を含めまして、チームの方は引き続き練習をしていく予定です。
日刊スポーツ:
ありがとうございました。
北海道テレビ:
古田キャプテンにお伺いします。先ほど選手としてまだ整理がついていないとおっしゃっていたと思うのですが、Vリーグに対して何か言いたいこと、伝えたいことなどありますでしょうか。
古田:
リーグに対してももちろん思うところもあります。それをこの場で今思っていることを整理のつかないまま話してしまうと危険かなと思うので。そうですね、リーグに対しては今この現状を見て考えるとしかたない決断だったのかな、と僕個人としては思っております。帯広大会が中止になったときにも、中止ではなく延期にしてほしいと思っていましたし、入替戦もそういったなかで中止になるというのではなく延期という形で、監督も言っていたように春以降、4月5月でもいいです。そもそも無観客試合っていうことに関して僕はかなり疑問を持ってます。ファンの皆様、地域の皆様、スポンサーの皆様と共に歩んできたこの3年間。皆様のおかげでここまで来れたし、ここからさらに歩んでいけるっていう中で、無観客で僕たちだけで戦うっていうこと自体がそもそもありえないなと僕は考えてます。そういった中で今じゃないなっていうのは本当に思ってましたので。皆様と戦える機会っていうのを非常に望んでおりましたので、延期にしてもらって、来たるべき日にベストなパフォーマンス、ベストな結果を皆様と共有したいというのが本当の思い。中止という決定もそうですが、入替戦や次に向けても、今までも歩みを止めることなく来ておりました。なのでVリーグ機構にお願いしたいことというか、中止なら中止でそれを受け入れるというか、僕の立場からいえば受け入れるしかないと思っていますので。そうなるのであれば、共に戦ってくださったファンの皆様やスポンサーの皆様に向けて、納得させるのは難しいかもしれませんけども、ちゃんとした説明をまずはしてほしい。そこに尽きるかなと思います。
北海道テレビ:
ファンと共に戦うということもおっしゃっていたと思うのですが、改めて大事なファンに対して何か伝えたいことはどうでしょうか。
古田:
僕も今本当に自分の中で悔しいというか無念なことというのは、このような形の最後。ファンの皆様に戦っていただいているなっていうような。この現状に対して思った以上にたくさんの方が悲しまれてて、たくさんの方がそれはおかしいと声をあげてくださっている。そこに本当に誇らしい部分と申し訳ない気持ちが混在しています。本当に改めてこのチームでこういった活動をさせてもらって、こういった困難に巡り合って、改めてファンの皆様の重要性というか。本当に、ファンの皆様はじめそういったスポンサーの皆様とともに歩んできたからこそ、こうなっているんだなと感じています。みんなで次に進んでいけるような決断というかジャッジが出るはずです。まずはこの新型コロナウイルスの問題が終息というかいい方向に向かって、皆様が怯えることなく普段通りの日常に戻ることを願いながら、そして僕たちと一緒にまた戦ってもらえる日が来ることを信じながら、次に向けて頑張っていきますので。皆様も健康に留意してください。
北海道テレビ:
ありがとうございます。
道新スポーツ:
GMにお伺いします。昨夜要望書を提出した後、今現在までにリーグ側からのアクションがあったのかというのと、スポーツの問題に関して仲裁機構みたいなものがあるじゃないですか。そういったところまで発展していくような、クラブとしての決意というか、いつまで最終的に決着がつけばいいなという漠然としたもので結構ですが教えていただきたいです。
降旗:
4市町の各長の皆様からもご協力をいただきながら、皆様も目にされている要望書がありますが、私たちもいろいろと動き回っていた関係もあり、昨晩本当に夜遅いタイミングで送らせていただきました。結論を申し上げると、今の会見の時間はチェックできておりませんが、現段階での要望書でありますので、明確な回答をまだ得られるとはもちろん思っていません。現状回答は来ていないです。ただ、昨日顔を合わせてお話をさせていただいている背景もありますので、今内容を熟考いただいているのではないかなと、思いを含めてもありますが捉えております。二つ目の仲裁機構の話になりますが、まず今回の大前提でいいますと、私たちとしてはVリーグ機構の皆様と争いたいというような思いを抱いているわけでは決してありません。そこを皆様にもぜひご理解いただきたいというのが一つあります。少しでも長くその議題に対して共に考えていきたいという思いがありますので、まずはそこを考えて動いているところです。今後のチーム運営のこともありますので、なるべく早期の決着をした方がよいとは思っていますが、ただ感染拡大してる中であることと、一方で回復されてらっしゃる方々も多数いるので、この事態の状況も見守りながら並行して調整をしていく必要があるのではないかなと考えております。
道新スポーツ:
ありがとうございます。
【参考資料|一般社団法人日本バレーボールリーグ機構】
・役員紹介|https://corp.vleague.or.jp/about/organization.php
・規定類|https://corp.vleague.or.jp/about/rule.php