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<SLOW 導入特別対談 >株式会社VOREAS×有限会社ホテル十勝屋 対談

2021年9月、株式会社VOREASは「2025年までのパートナー企業の石油エネルギー10%削減」や「2030年までの全自社商品からの化石燃料由来の原料排除」など具体的な4つのゴールを定める【VOREAS GREEN DEAL宣言】を発表しました。

この宣言と同時に販売を開始したのが、重油、灯油、ガソリン、軽油などに少量を加えることにより燃焼効率を高め、同時に有害物質の排出を減らす効果が見込める液体燃料触媒『SLOW』です。

この触媒は、前述した燃料を日々使用する施設を運営する企業や自治体に向け、重油高や電力値上げに対するコストカット施策と、CO2や大気汚染物質の排出を大幅に削減するゼロカーボン施策の両面に貢献するプロダクト。現在では、株式会社VOREASが掲げる指針に賛同し、『SLOW』の効果に期待を寄せるオホーツク総合振興局や上川総合振興局および胆振総合振興局管内の道有施設での試験導入が始まり、鹿追町とも「脱炭素を核とした地方創生の実現に関する連携協定」を締結して町内のスポーツセンターやスクールバスへの試験導入も決まりました。

<参考記事>
液体燃料触媒「SLOW」が北海道庁で初の試験導入決定いたしました。

鹿追町との脱炭素を核とした地域創生に関わる連携協定を締結

今回は2022年10月より『SLOW』を導入した有限会社ホテル十勝屋(帯広市)様にその具体的な効果や実感などのインタビューを公開いたします。

SLOWが導入されている湯宿くったり湖レイクイン

【対談の参加者】
●後藤 陽介様(有限会社ホテル十勝屋 取締役社長)
●池田 憲士郎(株式会社VOREAS 代表取締役社長)

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温泉施設のボイラーへの導入で明確になったあらゆるコストダウン。

 

池田憲士郎(以降 池田) まずは御社の施設に『SLOW』を導入することになった、そのきっかけから教えていただけますか?

後藤陽介様(以降 後藤)弊社は十勝管内で5つの宿泊施設を運営しているんですが、その中の一つ『湯宿くったり温泉レイクイン』では、冬場におけるボイラーの重油使用量が多さが以前から問題視されていて、それこそ施設の売上を食い潰すほどコストがかかっていました。こちらとしてはボイラーシステムの見直しやテコ入れなど何かしらのトライを続けてきたんですが、さほど効果をあげることができず悩んでいたんです。そんなタイミングで、以前からお付き合いのあるVOREASの池田社長から『SLOW』導入の提案をいただき、取り扱うことになりました。

ホテル十勝屋 後藤陽介 取締役社長

池田 VOREASでは2021年9月にVOREAS GREEN DEAL宣言を発表し、同時に『SLOW』の販売を開始しました。ちょうどそのタイミングで弊社から提案があったということですね。実際に『SLOW』の使用が開始されたのが2022年10月ということですが、導入前は現場から何か不安の声などはありましたか?

後藤 現場スタッフからは『SLOW』を使用するにあたっての技術的な不安の声も多少ありましたが、実際は扱いがとても簡単で新しい技術も必要ないので、その面での不安はないに等しかったですね。効果への実感が湧いたのは使用を開始してまもなくでした。まずは昨年同月比の顧客一人当たりの燃料削減率でいうと、10月が−54%、11月が−31%、12月が−51%、1月が−60%、2月が-50%、3月-46%と、データとして顕著に効果が表れました。さらに、これまでは月に2〜3回のペースでボイラーの不着火が発生していたんですが、それが一切なくなりました。これも大きかったです。

各月の比較では顕著な成果が見られた

6ヶ月では重油使用量を52%削減

池田 ボイラーの不着火がなくなったことで人的なコストや作業的なコストに対してどんな影響がありましたか?

後藤 不着火が発生するとボイラーの再起動をしなければならないのですが、それはスタッフ全員ができるわけではありません。これまでは、不着火が起きたときに再起動作業ができるスタッフがいなければ、外部から業者を呼んで対応を強いられました。それが一切なくなったことで、圧倒的に人的コストや作業面での負荷を大きく削減できました。

池田 ボイラーの不着火というのは、ポンプから正しく燃料が送られていなかったり、燃料の着火性が低かったりするときに発生するものなので『SLOW』を使用したことで改善されたと考えられます。これは『SLOW』の特性とその効果が顕著に出た例だと思います。

3ヶ月でCO2を200t以上削減。経済効果と環境効果の両立を実現。

池田 導入を決めた後藤さん自身がどこかの企業や団体に『SLOW』を勧めるとすれば、どのあたりがポイントになりますか?

後藤 弊社が導入を決めたのは、かつて第3セクターで運営していた施設を購入してリニューアルをした、いわば旧型の温泉施設です。旧型の施設というのは、その規模に見合わない大きなボイラーで稼働させている例がとても多く、ここも例外ではなく規模に見合わないほどボイラーが大きいんです。以前コンサルタントからもその点を指摘されまして、そのボイラーを半分の規模にすれば燃焼効率も上がるからと交換を勧められたんですが、交換となると安く見積もっても3000から4000万円くらいかかってしまう。そこでずっと二の足を踏んでいました。特にバブルの頃に建てられたホテルや温泉宿で、同じように大きなボイラーが経営の足かせになっている場合が多いと思うんです。そういった施設に『SLOW』を導入すれば、弊社のようにわかりやすい効果が出るんじゃないかと私個人は思います。

池田 『湯宿くったり温泉レイクイン』様がSLOWを導入してからの6ヶ月で重油使用量は、昨年と比べて252klから140klと半減することができました。また、このCO2排出量をざっと試算しましたが、導入後の6ヶ月でおよそ260t(トン)減っています。これは杉の木による吸収量に換算するとおよそ18,560本という数字になります。コスト面でも効果が出ていますが、環境面においても大きな影響を生み出していると思います。

後藤 まさしくその通りで。私どもが運営する施設は、十勝の美しい大自然の中にあるものなので、当然のように自然環境の維持に貢献できるような場所でなければいけません。そういった面においては、かなり理想的な効果を発揮してくれていると思います。

池田 VOREASは、先日鹿追町とも脱炭素に関わる連携協定を結ばせていただき、現在は新得町でも『SLOW』の試験導入を前向きに検討していただいている最中です。これは確実に『湯宿くったり温泉レイクイン』様に『SLOW』使っていただき、目に見える効果を出していただいている影響がとても大きいです。北海道内においても特に十勝地方は、振興局ベースでゼロカーボン施策に力を注いでもらっているので、今後ともこのムーブメントを一緒に盛り上げていただければ嬉しいです。本日は貴重なお時間をいただきありがとうございました。

(終)

 

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株式会社VOREASでは、今後も様々な角度から企業様の課題解決とサステイナブル社会の実現に向けた活動を進めてまいります。