REPORTS

REVIEW「超戦」vol.7 | 最もタフな戦いを超えての大逆転勝利 | 第七戦 vs 埼玉アザレア

シリーズでお届けするREVIEW「超戦」。

今回は「2019-20 V.LEAGUE DIVISION2 MEN」第七戦、12月1日(日)に長野県で行われた「埼玉アザレア戦」の戦評です。ピックアップ動画も記事の最後にご紹介します!

ヴォレアス北海道 3 24 – 26
21 – 25
25 – 22
25 – 20
15 – 12
2 埼玉アザレア

開幕から無敗の6連勝で迎えた埼玉アザレア戦。序盤は互いに探り合いのラリーが続くも、第1・第2セットは、埼玉アザレアがセッター浜田を起点とし、MBの小島・佐藤によるクイックやブロード攻撃などの多彩な攻撃と、OP石井の破壊力あるスパイクで逃げ切る展開で連取した。対するヴォレアス北海道は、第1・第2セットで出場したセッター本澤、OH家近、OP張に替え、形勢逆転の策としてセッター辰巳とOH戸田、そしてOPに古田を投入して応戦した。第3セット以降ももつれた展開となり、ヴォレアスにとってはストレスのかかる時間帯が続いたが、経験豊富な古田による前・後ろのライトからのスパイクで得点を稼ぐなどして、第3セットから3連続でセットを連取し、フルセットの激戦を制した。

この試合では第3セットからメンバーを入れ替えたことで試合の流れを変えたところが大きい。特に若き道産子OH戸田はいつになくリラックスしており、緊張から解き放たれ攻守にわたって躍動していた。敗戦のプレッシャーがかかる第3セットの終盤では、それまでのスパイクでの活躍に加え、ブロックシステムをコミットブロック(※1)中心に移行し、ブロックを抜けてきた相手の強烈なスパイクを、リベロ白石とともに見事なディグに成功していた。また最終第5セットでは、戸田の思い切りのよいスパイクだけでなく、古田の強烈なサービスエース、佐々木のパイプ攻撃やフェイクセットと思わせてのツースパイクなど、ヴォレアスの持ち味が発揮され連続ブレイクに成功し埼玉アザレアを引き離した。

 

ヴォレアス北海道にはゲーム展開が劣勢の中にあっても冷静に逆転を狙えるチーム力があり、誰がコートに出ても活躍できる選手層と、チームとして戦術の柔軟な対応力が際立つ試合となった。

※1「コミットブロック」ってなに?
コミットは「託す」の意味。おもに相手のクイック攻撃をマークするブロッカーが用いる、ボールへの反応と跳び方のこと。セットされたボールの行方を見る前にブロックに跳ぶため、クイック攻撃などに対する判断が外れた場合ブロックが相手のセットに振られてしまう。さらには現代バレーのトップレベルでは、バックアタックを含めた3〜5人による攻撃がほとんどでマン・ツー・マン的なマークが主流の中、コミットを用いているチームは少なくなってきており、コミットブロックを採用する際には後ろのフロアディフェンスと情報や意図が共有される必要がある。

 

PICKUP PLAY

今回は大逆転のキーとなったキャプテン古田の無双プレーから、ブロックを弾く強烈なスパイクです!

 

次回のホームゲームは【こちら】からチェック!